亜鉛
(元素記号: Zn )

亜鉛は,私たち人間のからだにも微量ながら含まれており,鉄や銅などとともに,生体内必須微量元素とよばれます。

 

酵素の成分や蛋白質の合成,味覚への関与,インスリンの生成や機能への関与,また免疫能の賦活や生殖機能そのものなどに重要な役割をはたす亜鉛は,その欠乏によって,ちょっとした異常や病気をひきおこすことが知られています

 

 

味蕾(舌にある味を感じる部分)の細胞形成にも深い関連があり、亜鉛が不足すると味覚障害を起こしやすくなります。 ホルモン分泌にも関与していて、女性の月経安定や男性の精子生成に携わっています。(亜鉛だけ摂取しても精力増強にはなりませんので誤解しないでくださいね)

カルシウムとリンのバランス関係とは少し違う意味で、加工食品の食べすぎとかの偏食によって不足しやすいミネラルです。偏った食事はしないようにしましょう。

 

 

どんな効果があるの?

新陳代謝を促進
骨や皮膚の正常な発育
免疫力を高める

 

 

1日に必要な量は?

男性:9mg
女性:7mg
上限
男女とも:30mg

 

 

 

不足したら?

味覚に障害がでて味が分からなくなる
成長障害
免疫機能の低下
貧血、皮膚炎
傷の回復が遅くなる

 

 

 

摂り過ぎたら?

鉄、銅の欠乏
腎臓や神経の障害
HDL(善玉コレステロール)の低下
多く含まれている食材は?

 

 

 

 

多く含まれてる食品は?

カキ・アサリ・ホタテ・タコ・イカなどの魚介、レバーや赤身の肉、大豆製品、その他乳製品や卵など幅広い食品に含まれます。
※豆や穀物に多いフィチン酸は亜鉛の吸収を阻害します。亜鉛の多い献立を最後に出すとか、朝食・昼食・夕食でバランスをとる、などが良いでしょう。
※鉄、銅、食物繊維の摂取量が増えると相対的に亜鉛が不足します。当たり前の献立であれば大丈夫ですが、偏った食事に注意しましょう。

 

1日の食事から,およそ10~20mg。 私たちは通常,亜鉛を食品からとっています。
亜鉛は,私たちの体内でつくることはできません。いろいろな食品から摂取することが必要です。それも,自然食品からとることが理想的。レトルト食品やインスタント食品ばかり食べているのでは,どうしても不足してきます。

 

 

亜鉛のさまざまな薬理作用。

亜鉛は古くから医薬品として,私たちの生活の中へ入り込んでいます。その代表的なものが亜鉛華軟膏です。

 

これは,亜鉛が皮膚の新陳代謝に作用し,創傷を修復する作用を臨床的に応用しています。そのほかにも,亜鉛の薬理作用は多彩です。局所収れん作用,保護作用,緩和作用,消炎作用,防腐作用および軽度の腐食作用を示します。亜鉛を創傷面または潰瘍部に散布すると,散布部分が乾燥し,分泌,細菌増殖が抑制されます。

 

 
亜鉛は、胃潰瘍の治癒にも重要な役割をはたしています。
最近注目されているのが,亜鉛と胃潰瘍治癒との関係です。ラットをエーテル麻酔下で開腹し,20%酢酸溶液50μlを腺胃部前壁漿膜下に局注して潰瘍を作成し,一方には通常亜鉛飼料を,他方には低亜鉛飼料を与え,潰瘍治癒への影響をみてみました。その結果,低亜鉛飼料群では通常亜鉛飼料群にくらべ,酢酸注入後14日および21日目において有意に損傷係数が高く,治癒の遅延が認められました。また,亜鉛の抗潰瘍作用については,すでに報告されています。

 

 

セレニウム

(元素記号: Se )
セレニウムは活性酸素撃退の最終兵器とも言える栄養素です。
活性酸素が問題なのは、細胞や血液の脂質を「過酸化脂質」にしてしまう点です。これがガンや老化を招く大きな原因の一つだとされます。

この過酸化脂質を迎え撃つ役割をしているのは「SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)」や「カタラーゼ」などの酵素です。酸素ラジカルが細胞核のDNAまで傷つけてガン化させてしまう可能性を阻止するためにこうした酵素が活躍します。

しかしそれだけで防ぎきれないケースもあり、過酸化脂質そのものを無害化してしまうグルタチオンペルオキシダーゼという酵素がカギになります。このグルタチオンペルオキシダーゼの主成分がセニウムなのです。

ミネラルは土壌から植物、動物と吸収されているため、その地域の土壌の質がミネラル成分の多寡を決めます。土壌にセレニウムをまったく含まない土地では、胃ガンなど様々なガンが多いという事実もあるのです。
ただ、摂取しすぎると毒性が生じて悪い過剰症が出ますので、サプリなどは量に注意が不可欠です。

 

どんな効果があるの?

老化の予防
ガンの予防

1日に必要な量は?

男性:30~35μg
女性:25μg
上限
男性:450μg
女性:350μg

 

不足したらどうなるの?

日常の食事で不足することはありません。
不足する環境であればガンのリスクが増加。

 

 

 

摂り過ぎたらどうなるの?

食事で摂りすぎることはないが、サプリメントなどで800μg以上を摂取すれば中毒することも。
疲労感、脱毛、下痢、嘔吐、呼吸困難、心筋梗塞、腎不全などの危険が。

 

 

 

多く含まれてる食材は?

カツオ、ニシン、イワシ、サバ、カレイ、カキ、ホタテガイ、タラコ、レバー(豚・鶏)、赤身肉(牛・豚)、ネギ、玄米など。
※ビタミンEを同時に摂ると抗酸化作用が強まります。

 

 

 

 

 

リン
(元素記号: P )

リンは動植物に広く分布する元素で、ヒトの体内にあるミネラルでもカルシウムに次いで2番目に多いものです。

体内にあるリンの80%はカルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨や歯の主成分となっていて、残りは脳、神経などに存在しています。
核酸やリン脂質の成分でもあり、細胞膜を構成して細胞の成長と分化に関与。リン脂質は脳の形成にも欠かせません。ビタミンB1やB2と結合して補酵素となり、糖代謝をする。ATP(アデノシン三リン酸)の成分として高エネルギーのリン酸化合物をつくりエネルギーを蓄え筋肉の収縮を助ける。などなど重要な仕事をしています。
便利な元素であるがゆえに、非常に多方面で様々な用途に使われており、食品分野でも添加物として多用されています。 コーラなどの飲料、ハム、チーズ、コーンフレーク、ベーキングパウダー、むしろリンが含まれない食品を探すのが難しいくらいで、インスタント食品、コンビニの弁当などには重複して使われているため、どう考えても今の人は「リン過剰」になっていると言えます。
「カルシウム不足」というのは、実は「リンの食べすぎ」だということでしょう。
自然界(とくに細胞)に不可欠の普遍的なものであるからこそ「バランス」が重要で、そういうものは過剰になると「害をおよぼす」のです。リンは毒物でもあり、公害の主因でもあったのです。
「適量」がいかに大事かということですね。

 

 

どんな効果があるの?

 

丈夫な骨や歯を作る
筋肉のパワーをサポート
糖代謝、疲労回復

 

 

1日に必要な量は?

1000mg程度
上限
3500mg

 

 

不足したら?

通常の食事で不足はしない。

 

 

摂り過ぎたら?

骨密度の低下
腎機能低下

 

 

 

多く含まれてる食材は?

穀類、肉、魚介、乳製品など幅広い食品に含まれています。

 

 

 

 

マグネシウム
(元素記号: Mg )

マグネシウムは核酸の合成、糖質・脂質・たんぱく質の代謝、筋肉の収縮を促す、刺激に対する神経の興奮を鎮めるなど、多方面で活躍する重要なミネラルです。

体内にあるマグネシウムの60%は骨に含まれ、カルシウムやリンとともに骨や歯の強化、弾性維持の役割をしています。残りは肝臓、血液、筋肉中にあり、300種類以上の酵素の働きをサポートし、細胞のカリウム濃度調節、エネルギー代謝、細胞核の形態維持などに関与しています。

加工食品には殆ど含まれず魚介や海藻など主に自然の食材に含まれているため、和食を食べていれば不足しない栄養素ですが、それがゆえに現代人には不足しがちだといいます。今は加工食品がメインになっているからでしょう。また、アルコール多飲でもマグネシウム不足になります。

 

どんな効果があるの?

骨の弾性維持
心臓疾患の予防
筋肉痛の緩和
糖尿病の予防
イライラなど興奮を鎮静

1日に必要な量は?

200~370mg
上限
700mg

不足したらどうなるの?

動脈硬化や血圧上昇を招き、狭心症、心筋梗塞などの心疾患の原因になるといわれます。神経の異常、2型糖尿病発症のリスクも。

摂り過ぎたらどうなるの?

過剰症はとくにありませんが、動物だとマグネシウムとリンやカルシウムとのバランスが壊れると尿路結石などの原因になるとされています。

多く含まれている食材は?

コンブ、ワカメ、ヒジキ、アサリ、イワシ、ホウレンソウ、ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、全粒穀物など
※魚介類、海藻類、種実類に多く含まれいて、典型的な和食を食べていると不足しないミネラルです。
※豆腐の製造に使われる「にがり」にみられるように、濃度の高いマグネシウムはタンパク質を固化する作用があります。

 

 

 

 

phosphorus

ナトリウム(元素記号: Na )

 

ナトリウムのほとんどは塩化ナトリウム(NaCl)つまり塩として摂取されます。地球上の大半の生物にとって生命維持になくてはならない重要な物質である反面、過剰にナトリウムを摂取すると、カリウムとのバランスを壊し、浸透圧の調節が狂って細胞の水ぶくれ状態を招きます。 この状態が「むくみ」であり、内部では血管を圧迫して血圧を上昇させてしまうと考えられています。

 

 

どんな効果がある?

体液の浸透圧を調整、水分量を調節
生命維持になくてはならない重要な物質

 

 

1日に必要な量は?

男性: 10g未満
女性: 8g未満

 

 

不足したらどうなる?

あらゆる食品に含まれていて、現代人は過剰摂取気味とされます。したがって不足はまずありえませんが、もし欠乏状態が続けば死に至ります。

 

 

摂り過ぎたら?

摂り過ぎは高血圧を招くとされています。
また胃に負荷をかけて胃がんの要因にも。

 

 

多く含まれてる食材は?

食塩、しょうゆ、みそ、ソースなどの調味料、魚介や肉の加工品、梅干し、昆布茶、その他ありとあらゆる加工食品。